Chinese Angels


 「Chinese Angels」(中央大学アニメーション研究会 C.A.C.C.制作)になると、試験的な制作体制を脱し、より充実した体制でエンターテイメント作品を目指すようになりました。1981年という当時の状況で、娯楽作品を真面目に取り組むというのはすごく画期的なことだったと思います。
 兄は3人体制のキャラデザ兼作画監督の1人として、適役のドルー、ドン・オーレ、サムソンを担当しました。でも、当然ながらヒロインのリンリン、ランラン、カンカンの3人娘もお気に入りで、その中でも、ストレートロングの髪に切れ長な目のカンカンが兄の絵柄に最も合っていました。冒頭のカンカンのナイフ投げのカットは、黒背景の効果もあってアマチュアのペーパーアニメとは思えないほどの出来栄えです。
 私は、やはりハナコ同様夏休み中に色塗りを手伝ったわけですが、ここでも鬼門はサムソンの背広の「バーントアンバー」です。とにかくいくら工夫してもムラになってしまうので、なるべく水を含ませてから塗るのですが、何十枚という動画に同じ濃さで塗るのは至難の業でした。
 ハナコに比べて、動画の内容はすごく動きのあるものだったのですが、いかんせん絵コンテを見る機会がなかったため、どういうシチュエーションのカットなのかがわからないまま手伝っていたのが、今となっては心残りです。リンリンがメイドの服装でマシンガンの銃弾から逃げていくカットにしても、「なんか服が違う」程度の認識でしたからおまぬけですね。
 上映会で見た感想としては、最後の爆発シーンがおちゃらけてしまったのが残念ですけど、途中のワクワクするような動きのカットがすごく待ち遠しく、見返すのが楽しみな作品です。それから、エンディングのスタッフ名カットインが秀逸ですね。あのタイミングはなかなかできるもんじゃありません。

 この作品の時は同人誌も作りまして、そういう意味ではC.A.C.C.黎明期のピークだったような気がします。そのせいか、幾度となくパート2の話が合ったように記憶してますが、なかなか実現しません。TV実写版はずいぶん人気が復活しているので、あの深夜に流れていたテーマ曲を聴く機会がありますが、すごく懐かしいですね。
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